死亡とみなした者が現れた場合

人が亡くなると同時に相続という法的な事象が生じます、その相続に関係あるはなし。

死亡とみなした後(失踪宣言後)にひょっこり

失踪宣言って何なん?ってのは普通失踪宣言危難失踪宣言を読んでね。

『死亡した』とみなしているだけで生存していて『ひょっこりはん』する事も当然あります。

その場合どうなるのか?

1項
失踪者が生存すること又は前条(民法三十一条、詳しくはこのページを読んで)に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。
この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
2項
失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。
ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。

民法第三十二条より

本人、または利害関係人が家庭裁判所に失踪宣言取り消し請求をおこなう必要があります。
生存していたからといって当然に失踪宣言の効力が消える訳ではありません。
取り消しをおこなうことによって失踪宣言前の状態の戻ります。
戸籍についても死亡扱いから生存に戻ります。

生き返ったではなく亡くなってなかったという事なので相続なども当然発生していなかったことになります。(2項)

1項に書いてある『善意』の意味も説明すると【善かれと思って】って意味ではなくて、法律用語では『知らなくて』って意味になります。逆に悪意っていうのは『知っていて』という意味になります。
例えばですが、相続人(相続を受ける人)が複数いて分割の為に相続不動産を売却しました。
その後『ひょっこりはん』で失踪宣言が取り消しとなりましたが、善意の場合(生存しているのを知らなくての)売却は有効で宣言前の失踪者の所有物とはなりません。
悪意の場合(売買の利害関係人の一部が本当は失踪人が生存しているのを知っていて)売却は問題あるけど、今回の本題とはちゃうからまぁええやろ!

2項の相続なども発生していなかったことになるので相続で得た財産も全て返還する義務があります。
んで『ただし、現に利益を得ている限度においてのみ』とありますが、
仮に現金1000万円を相続で得たとします。そのお金は車を400万円で買って減っているで残っている現金600万円返します。
これは通用しまへん!
相続のお金で400万円の車を買い、400万円のローンを組まずに済んだ。
という利益を得ているので1000万円返還せなあきまへん。
残っている現金を返せばええっていう意味では無いで!利益≠現金やで!
遺体は無いけど葬儀をおこない立て替えた、って費用を相続のお金で回収したのんとか、相続手続きでかかった様々な費用とかは利益を得てるわけでは無いから返還不要かもしらん。
そやから相続不動産売却でかかった登記費用など様々な経費を除いて相続人で分けた金額を返還する義務がある。
要は相続人に利益があった分は返せって事やと思う。この辺は不動産屋の領域ちゃうから正確なんは弁護士に聞いてくれ。

もちろん生命保険金とかも受け取っていたらそのお金も全額保険屋に返さなあかん!

自身が失踪宣言(死亡扱い)になってるって分かったり気付いたりするん?

失踪宣言の申立てをしても家庭裁判所も「はいそうでっか!」ってすぐに失踪宣言を出すわけでは無く、当然様々な調査を行います。

生存していると常に何らかの行政サービスと密接に関わってますから匿名レベルでの日払い仕事を転々とし、なおかつ住所不定、健康保険証を不使用で医療機関を受診、免許証といった定期的に更新が必要なものを未更新などなど、なかなか失踪宣言に該当する事は難しいでしょう。

もし自身が失踪宣言を出されてるかどうかってのは住民票や戸籍謄本を取ってみたりしたらすぐ分かるし、匿名日払いではないところに勤めたら労災保険やらに入るときに「あれ?」ってなると思う。知らんけど。

しかし失踪状態の人ってのは圧倒的に高齢者が多く、かつ認知症になってる可能性が高いやろから自ら調べたり気付いたりするのは難しいかもしれん。

高齢者の数が増えてくるこれからの日本は普通失踪宣言が出されることも増えてくると認識し、万一の為に子や孫にこういう制度があるというのも知っておいてもらう必要があるかもしれません。