短期違約金って何であるん?

賃貸物件を借りるときの契約書に『1年未満の解約で〇ヶ月分、1年以上2年未満の解約で〇ヶ月分の違約金が必要』

こんな感じの内容の文言を見たり聞いたりしたことないですか?

こういうのを私どもは『短期違約金・違約金・短期解約違約金』とかって呼んでます。

何故にこういう短期違約金があるんでしょう?というのが今回の話

いつからあるん?

2000年後半ぐらいから出てきたように思います。

その頃から分譲賃貸マンションとよばれる物件が増え始めてきて前に話したように販売の為のツールとして入居者を入れるために『敷金礼金0円』で空室を埋めていき、売却後しばらくは賃料保証の意味合いも込めて契約に盛り込まれてきたと思います。
だって売った後にすぐ退去されたら買った方に迷惑かけるやん。

なぜ浸透したん?

その『敷金礼金0円』で契約できる物件って当時はあんまりなかったんですよね。

そらそうですよね、貸主さんは退去が出るたびに綺麗に内装して次の入居者に入ってもらうのですが、内装するにも当たり前ですが費用が掛かります。
通常はその費用も契約時に頂いていた礼金で一部を賄っていました。
(敷金が0円で済むのは保証会社のおかげ感が強いから別の話ね。)

でもその『敷金礼金0円』で契約できる物件たちがものすごい人気が出たんですよね。

ほなら貸主さんもビジネスでやってますから当然ですがその波に乗りますよね。

目的が変わってきた

でもこれまで『礼金で一部を賄っていた内装代どないする?』っていうので、その解決方法としてこれまでの賃料より数千円アップさせて『敷金礼金0円』『短期違約付き』になっていきました。
(冒頭の分譲賃貸は内装する時は売った後の話なのでどうでもよかった)

要するにこれまで契約時に貰っていた礼金を0円にして、賃料アップ分で分割で回収したろって事ですわ。
その回収計画が崩れんように短期解約した場合には違約金で回収(実質礼金)て事です。

現在では

『敷金礼金0円』が条件として最重要でお部屋を探している方って入居者の質として悪いです。
もちろん全ての方という訳ではありませんが、経験上近隣トラブルを起こしたり家賃滞納などを起こしやすいです。

恐らくですが、契約金をあまり用意できない⇒お金を計画的に使えないタイプ⇒家賃滞納を引き起こすって事だと思います。
全ての方ではないというのは、契約金をあまり用意できない⇒所得があまり多くないので貯蓄が無いの方の場合です。

他にも色々な理由で『敷金礼金0円』だと入居者の質として良い方も悪い方もごちゃまぜになってます。

昨今では昔の様に礼金がある物件が増えて来てます。その理由は?というと入居者の選別です。

賃貸マンションのオーナー、分譲賃貸のオーナー(売買の購入者)の目的は賃料収入です。
良質な入居者に長く住んでもらうのが一番ありがたいのです。

良質かどうかは契約時には分からず、『結果として』でしか分かりません。

せやから良質かもしれない判断基準のひとつとして礼金というハードルを設けて契約時の支払い能力を見ているという事です。

入居者から見たら「なんやねん、貸主の都合やんけ!」って思うでしょうけど、入居者のメリットとしてはそのハードルを越えれる方しか契約に至れてないので隣人などが訳の分からん奴の可能性が『敷金礼金0円』物件より低くなります。

ほなそういう物件は短期違約金は無くなったん?

一度浸透したものが無くなるっていうのはそう簡単にはいきませんのが世の常ですやん。

借りる側もそういうもんって思ってくれてて、貸す側しかメリットが無いものをわざわざ貸す側の条件として外す訳がないやん。

そやから短期違約金はこれから先も続いていくでしょう。

携帯電話かてそうやん⁉
2000年前後って携帯電話の本体って無料(1円やったかな?)やったやん、その代わりに2年縛りとかいうのがついてたやろ?
近年ようやくその『縛り』問題がかなり改善されたみたいやけど、それまでは端末が10万円近くまでなってたのに当たり前のように『縛り』は残ってたやろ。
そんな感じ。でも2000年前後は通話通信料だけで毎月数万円飛んでたけどな。(パケ死)

契約はもっと自由で良い

『1年未満の解約で〇ヶ月分…』ってのを冒頭に書いたけど、物件によっては『6ヵ月未満の解約は不可、契約より6ヵ月分を満たす残月分を一括払いにて解約することが出来る』みたいなんもあったりします。

契約って同じ棟内であれば全員同じ内容の杓子定規で凝り固まったものを交わさなあかんと思ってる貸主さんや借主さんがいてますけど、そうではないんですよね。

もちろん宅建業法ってのがあるので私ども宅建業者は業法第35条書面(いわゆる重要事項説明書)と業法第37条書面(いわゆる契約書)の必須事項は記載して説明交付せなあかんけど、言い方を変えれば必須事項が入ってれば結構自由な内容で契約書ってのは作れます。※公序良俗に反するものは無効になるで

いわゆる契約自由の原則というやつなんですが、譲れないところはルールとして徹底すればいいんですが、もっと柔軟な発想でええと思いますよ。

貸す側はガイドライン的なんで条件などを提示して募集してるからええとして、借りる側も「貸す側の条件を考慮してこういう条件でドヤ!」みたいなんを出してもええと思うんですよね。

単純に「家賃下げてや!」「礼金下げてや!」だけを言うのは貸す側も「はぁ~、気分悪」ってなるだけやけど、仮に5年以上必ず住む予定があるならば「5年未満の解約違約金で賃料の6ヵ月分を契約書に盛り込んでくれてええから礼金3ヶ月分を無しにしてよ」ってのでもありなんやない?

貸主さんも最低5年の賃料収入が見込めて仮に解約となっても礼金の倍額が入る。
借主さんも万が一のリスク(6ヵ月分の違約金)があるが、現時点ではそのリスクはゼロであり、そのリスクは自らコントロールできる。

貸主さんも頭ごなしに断らずに考慮する余地はあると思うんですよね。
私が貸主ならOKしますもん。

こういう感じで借主さんも自分の現状における武器を使って、もっと自由な発想で自ら不動産屋にアピールしていくのもええと思いますよ。
逆もしかりでこのような提案を受けてみた貸主さんも柔軟な対応をしてみてはいかがでしょうか。

どんな契約内容にするかは・・・
自由だ~!