相続税の配偶者控除③

人が亡くなると同時に相続という法的な事象が生じます、その相続に関係あるはなし。

相続税を払わなくてよいかも⁉の特例制度

相続税の配偶者控除②の続き

配偶者控除で損をする?

相続税の配偶者控除ってのは配偶者にとってむちゃくちゃお得なシステムってのは間違いありません。
だってどんなに大きな遺産を相続したとしてもそれが法定相続内であれば税金が控除されるんですもの。

せやけど、そんな美味しい話ばかりではおまへん!
相続ってのは親族がいる限り続いていくもの、いずれにしても控除の恩恵を受けた配偶者もまた被相続人の立場となるのである。

配偶者控除があった相続を一次相続、その配偶者が亡くなり起こる相続を二次相続と呼ばれます。

前回の②で使ったパターンと同じので二次相続もやってみましょう。
※配偶者の元々の保有資産は0円で相続後の資産増減は無かったものとする。

Aパターン:一次相続・・・前回の②と同じ内容

遺産総額2億円
相続人配偶者・子×2人
実際の取得額(相続割合)配偶者:1億6000万円(80%)・子:2000万円×2(10%×2)
基礎控除3000万円+600万円×3人=4800万円
課税相続分1億5200万円
法定相続分配偶者:7600万円(50%)・子:3800万円×2(25%×2) 計1億5200万円
法定相続の納税額(速算表を使用)配偶者の分:1580万円(50%)・子の分:560万円×2(25%×2) 計2700万円
実際の相続割合での納税額(納税割合)配偶者:2160万円(80%)・子:270万円×2(10%×2) 計2700万円
配偶者控除後の納税額配偶者:0円・子:270万円×2 計540万円 控除額2160万円
Aパターン:一次相続

二次相続A

遺産総額(配偶者の分)1億6000万円(一次相続で相続した分)
相続人子×2人
法定相続子:8000万円×2(50%×2)
基礎控除3000万円+600万円×2人=4200万円
課税相続分1億1800万円
法定相続分子:5900万円×2(50%×2) 計1億1800万円
法定相続の納税額(速算表を使用)子の分:1070万円×2(50%×2) 計2140万円
Aパターン:二次相続

Aパターンの一次相続と二次相続で払った総納税額は540万円+2140万円=2680万円

Bパターン:一次相続

遺産総額2億円
相続人配偶者・子×2人
実際の取得額(相続割合)配偶者:1億円(50%)・子:5000万円×2(25%×2)
基礎控除3000万円+600万円×3人=4800万円
課税相続分1億5200万円
法定相続分配偶者:7600万円(50%)・子:3800万円×2(25%×2) 計1億5200万円
法定相続の納税額(速算表を使用)配偶者の分:1580万円(50%)・子の分:560万円×2(25%×2) 計2700万円
配偶者控除後の納税額配偶者:0円・子:560万円×2 計1120万円 控除額1580万円
Bパターン:一次相続

Bパターン:二次相続

遺産総額(配偶者の分)1億円(一次相続で相続した分)
相続人子×2人
法定相続子:5000万円×2(50%×2)
基礎控除3000万円+600万円×2人=4200万円
課税相続分5800万円
法定相続分子:2900万円×2(50%×2) 計5800万円
法定相続の納税額(速算表を使用)子の分:385万円×2(50%×2) 計770万円
Bパターン:二次相続

Bパターンの一次相続と二次相続で払った総納税額は1120万円+770万円=1890万円

Aパターン2680万円とBパターン1890万円では790万円の差が出てきます。

不思議でしょ⁉
Aパターンの方が配偶者控除の恩恵をたくさん受けてめっちゃお得になってるのに、ふたを開けてみたらAパターンの方が790万円も多く納税してるんですわ。

何でこないな事になるんかっているたら、相続税は【累進課税】っちゅう税率計算になってるから課税対象となる金額が大きいほど税率があがるからです。
税率については速算表を見たら分かるけど、Max55%っていうバケモンみたいな設定になってます。

配偶者が相続を受けてすぐに亡くなってしまう感じのAパターンもあれば、そうでは無く二次相続が起こるまでにかなりの日数が経つ場合もあり、現実は色んなパターンが起こりえます。

Aパターンでも二次相続までかなりの日数が経った場合

当然生活を営む上で資産は増減します、んで配偶者が貯金を削って(8000万円使用)生活していたとしましょう。(A2パターン)

遺産総額(配偶者の分)8000万円
相続人子×2人
法定相続子:4000万円×2(50%×2)
基礎控除3000万円+600万円×2人=4200万円
課税相続分3800万円
法定相続分子:1900万円×2(50%×2) 計3800万円
法定相続の納税額(速算表を使用)子の分:235万円×2(50%×2) 計470万円
A2パターン:相当の年月が経った二次相続

この場合のA2パターンだと一次相続と二次相続で払った総相続税は540万円+470万円=1010万円
A2パターン1010万円でBパターンは1890万円と今度は逆にA2パターンが880万円も少なくなります。

まぁこれ言い出したらBパターンも二次相続まで配偶者の資産は増減するやんけ!ってなるからどないするのが正解ってのは人それぞれですわ!
もちろんそもそも配偶者の保有していた資産も上乗せされるしな。

なんせ、通常で考えると子よりも配偶者の方が先に亡くなる場合が多いやろから、考え方としては如何に配偶者控除を最大限利用しつつ、二次相続の対象となる資産(配偶者の遺産)を少なくするかがポイントなんやろ。

それには杓子定規で遺産分割を行うだけでなく、残された配偶者の生活の保障を基に性格(節約家の方であれば二次相続遺産も多い可能性、派手な方であれば二次相続遺産が少ない可能性)など多角的に考慮する必要があるでしょう。

紀州のドンファンの配偶者のように若くして多大な遺産を相続するのであれば配偶者控除の効果はかなり大きいやろな。
あ!容疑者なってるからまだ相続どころの話ちゃうか!

基本用語集:続々追加予定

【あ】
姻族:配偶者の血族

【か】

【さ】
相続人:亡くなった人の財産を引き継ぐ権利のある人、法定相続人と呼ぶ
尊属:自分より上の血族、姻族

【た】
代襲相続人:被相続人の子が既に故人のため、代わりに相続する子の子(孫)みたいな感じ。同位扱い
嫡出子:婚姻関係にある男女から生まれた子
直系:自分のルーツ(ルーツってのは養親や養子含む)

【な】

【は】
配偶者:男性から見て妻、女性から見て夫を指す
被相続人:亡くなった人
卑属:自分より下の血族、姻族
傍系:自分のルーツの途中で枝分かれした血族
法定相続分:法的な相続の割合、あくまで基準

【ま】

【や】

【ら】

【わ】